つくばの進学塾「竹進」の副塾長の牧原です。
対位法は、音楽だけのことかと思っていましたが、絵画でも、
画家が自らの絵を評して、polyphonyという場合があることを
つい最近知りました。
先日、音楽家と画家が同席する場に居合わせたのですが、
画家の方が、ある現代アートの画家が自らの絵をpolyphonyと
いっているのだけれども、これはどういう意味なのか、
と音楽家の方に尋ねたのです。
小生は、まだ音楽をやっていた頃は対位法の虜で、フランスの
Milhaurd(ミヨー)などよく聞いたものでした。
いったい、どうやったら、こんなに違う旋律を幾層にも重ねて
美しい音楽ができあがるのだろう?
小生にとっては、雲の上の話でした。
ただ、小生の対位法の理解もこのような程度で、絵画との関係や
polyphonyの起源などまったく知りませんでした。
20世紀初頭、音楽がその可能性のほとんどを試し終わり、
新しいものを創作することが不可能になったとき、
バロック時代への回帰現象がおこったとのことでした。
その時の音楽の表現技法の一つが対位法でした。
その話を聞いた画家の方が、絵画も全く同じです、と言われたとき
には久しぶりに知的な興奮で鳥肌が立ちました。
絵画におけるpolyphonyも、表現技法の可能性をすべて試し終わった
後の過去への回帰という名の新しい創作技法だったのです!
音楽も絵画も、人間の根源にかかわる何かそれらを通底するものが
あるのでは、と実際の表現技法の共通性を通じてまだ小生の知らない
知的ワールドが広がっているのを感じた瞬間でした。
音楽家の方の話は、polyphonyの起源から、というより音楽自体の
起源から始まりましたが、こちらの話の方も知的好奇心をくすぐる
すばらしい話だったので、また機会がある時にご紹介します。
※高校生への宿題
上記の文の下線部は、英語では「中間話法」という話法で書かれています。
どうやって英訳しますか。時制に注意して訳してください。